TANINO CRISCI(タニノ・クリスチ)研究所

イタリアの革製品のブランド タニノ・クリスチ(TANINO CRISCI)の靴の不思議な美しさについての研究です。間違いが多いので直しています。
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靴作り

2011年08月21日

たどり着くまでが一苦労

P72500567月29日の記事で失敗だったABCマート靴の調整をやり直し一応バランスはよくなりました。中敷きの調整パッチがこのように大雑把だったのをもっと細かく積み上げ微妙な修正を行いました。TANINO CRISCIを買いに行くにあたってこの靴のテストもしてみようと考えました。

フォーマル用を探すので薄い絹の靴下を履きました。すると左のくるぶしが出っ張っている私なので当たってきました。これは誤算でした。左右の角度や高さもよくないみたいで不自然な回転が起こっているのも原因のようです。土砂降りで靴下が湿ってきているのでよけいに厳しいです。

駅のホームのベンチで中敷きを外して調整用のパーツを入れ替えて修正しました。出先なので新たに作成することはできません。ところが右足から取り除いたものを左足に追加することによって非常にうまくバランスが取れました。足の皮がむけるのは避けられそうです。

やはり足というのは左右が連動しながらバランスするのですね。足も手と同じで右と左は性質が違います。したがって右と左で形を変えないとうまく連携が取れないわけです。
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左の中底をだいぶ高くしました。こうすると具合がよいです。くるぶし対策だけでなく脚部全体の動きが滑らかになります。ヒールの調整がくるっているのでそれもカバーできたみたいです(追記:その後再調整しました 左が少し低くなりました)

P8210007今回買ったタニノ・クリスチーはこんな後姿です。やはり左の方が高くなっているのですね。何とも意味ありげで微妙なラインが魅力的です


購入に当たり試着したとたんに滞っていた血液が流れだすのを感じました。新品でもすごく柔らかいので少し傷ついているくるぶしでも痛くありません。履きならすとふわふわになります
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新しい靴をよく観察してみますとこのように左足の方が外傾角が強いです。




zenkeiまた前傾も左が強いです。

靴の改造の時に横方向の角度の事は考えていたけれどこのことは意識していませんでした。

これも失敗の原因でしょう。ただわかっていたとしても細工は難しいです。試行錯誤になるのは同じだったでしょう。

原形を保っている今のうちに全方位について詳しく観察しておこうと考えています。でもなかなか難しくて… 早く履きたーい

2011年07月29日

マッケイ製法の良いところ

他のメーカーの靴を改造しても同じような履きやすい靴にならないことが木型の設計の重要性を物語っています。

以前別ブログの実験記録でサイズ感が異なる理由について考えました。その時TANINO CRISCI の靴はウエストラインとでもいうのでしょうか?土踏まずのところの絞り方がよくできていることに触れました。こちらの記事です
マッケイのコピー自分で底の修理をしたので変ですが無視してください

足の計測データの土踏まずのラインと甲革を取り付ける縫い目がそろっています。

最近は足のコンディションが当時よりもよくなってきたのでこのセッティングの良さがしみじみとわかってきました。

土踏まずのアーチのラインを支える方法としてはこのように甲革のサイドで締めるのが一番快適だと思います。でもそういう靴は少ないです。自分で靴を作った時のことを思い出してみるとこれを真似しようとしてうまく行きませんでした。

靴底の取り付けは接着剤で貼るだけでした。土踏まずから指の付け根にかけてのカーブをきつくすると強い力がかかるようです。履いているうちにはがれてしまいました。やはり縫い付ける必要があります。

ジョンロブなどのグッドイヤーウエルト式の靴はこの部分の絞りが緩いのでいまいちです。
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これはPHILIP というジョンロブの靴です。ちょっと古いモデルですけど…

店員さんが教えてくれたんですがグッドイヤーとマッケイの複合式というおもしろい靴です。今になってよく考えると土踏まずのラインを整えるためにこのような工夫をしているのでしょう。

グッドイヤー式の靴は何か制約があるみたいです。タニノ・クリスチーがマッケイ式を採用しているのはそのためでしょう。何が問題なのか調べてみました。

するとグッドイヤーウエルト式はハンドソーンウエルト式という手作りの伝統製法をもとに機械化してコストダウンを図った製造法だとわかりました。手順を比べてみましょう。

左がグッドイヤー式で右がハンドソーンウエルト式です。
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甲革を縫い付けるための中底の準備中です
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テープを貼るのと穴をあけるの違いがあります
これがネックかな
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釣り込みの機械化はちょっとまた別の問題かな

いよいよウエルトの取り付け
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手作りですと全てにひと手間もふた手間も違います

本底の取り付け
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手縫いでないと絞り込んだラインは縫えないと思います

詳しくご覧になりたい方はYouTubeでどうぞ。
左 http://www.youtube.com/watch?v=pOEbhNM7VfQ&feature=related
右 http://www.youtube.com/watch?v=Woh-SqV_b64&feature=mfu_in_order&list=UL

【追記】
わかりやすい解説記事のあるサイトを見つけました
ハンドソーンとグッドイヤー

マッケイ製法について


グッドイヤーウエルト式は簡単に言ってしまうと手作りではないということですね。機械の都合のため細かいセッティングができないのです。一方マッケイ式は機械化する工程を少なくしやすいですし構造が単純なので微妙な設定ができます。

特に中底のアーチから前底にかけてのラインの造りに差が出ますね。
19insole6
中底の起伏をちゃんと付けることができるかどうかが大切です。
参考サイト

TANINO CRISCI は足に合わせた自然な形の木型の設計を重視しています。グッドイヤーウエルト式ではタニノ・クリスチーの木型は製品化できないでしょう。ハンドソーンウエルト式ならできるでしょうが価格的に私のようなものが買える限界を超えてしまうでしょう。

複雑な形に対応できて費用を抑えられるマッケイ式は好都合です。軽くて柔らかく出来上がるため採用しているということだけでなくそんなことも関係ありそうな気がします。

parts-p3これは余談ですが私のようにでたらめな履き方をするとタニノクリスチーの頑丈さがよくわかります。製法以前の品質の問題もあるでしょう。またグッドイヤー式はウエルトの取り付け部分の縫い目から切れたこともありました。ここは構造的な弱点でしょうか?

こうして見るとグッドイヤー式は釣り込み代が短いので甲革の形を作るに当たって強く引っ張る必要がありますね。すると革の伸縮性を使い切ってしまって足になじんでのびる分がなくなってしまうかもしれません。

ところでタニノ・クリスチーにはノルヴェジェーゼ製法の靴も少しあります。手間がかかるのであまり見かけない靴です。この作り方もウエルトは使いません。あと珍しいのはコバに縫い目があるけどグッドイヤーではなくてマッケイ縫いの上にもう一枚底を貼って出し縫いにした靴もあります。とにかくウエルトが嫌いな会社なのかもしれませんね。
FlassinoTamberlano






これは勝手な想像ですがウエルト式の靴はたとえ手作りでも中底と甲革の一体感に微妙なずれが起こり木型の本来の設計通りの性能が発揮されないとかそういった高度な技術的問題もあるのかもしれません。

イタリアの公式サイトのコレクションの中に”goodyear welt"と書き添えてある靴があったような覚えがあります。例外的で珍しいものなのでわざわざ書いておいたのでしょうか。どんな靴だったか忘れてしまいましたが

9月20日追記
見つかりました。これです。
Zantello GoodyearArgo Goodyear
2008~09年モデルでした。もうひとつのこのシーズンの特徴としてつま先の上がり具合が大きくなっています。その次からは元に戻っています。このころ会社買収の動きがあったそうですのでそういうことと関係あるのかもしれません。

2011年07月29日

TANINO CRISCIの外傾

この記事は疑問が残りますのでTANINO CRISCIの靴の形について別ブログの「TANINO CRISCI実験記録」で研究を続行中です。



先ほどの記事の続きです

足のアーチを維持するための後脛骨筋の機能について考えました。しかし他にも働いている筋肉はあるのでそれらのバランスを考える必要があるようです。

そういえば以前別ブログで足のトレーニングをしながら靴の調整をした時のことを思い出しました。変形した靴が少しずつ本来の姿を取り戻していきました。
のコピー-2このような変化もありました。そのときは何の筋肉の働きかは考えていません。足の骨と筋肉のメカニズムという問題意識を持つようになり改めて考え直してみますとこれが腓骨筋類の機能ですね。



個別の問題はさておきまず大切なこととして足のアーチを維持するために機能する筋肉が足の裏だけではなくすねやふくらはぎといった下腿部にもあるということですね。離れたところにあって腱でつながっている訳です。その引っ張る作用によって足のアーチができます。本来は足首を動かす筋肉ですから足の傾きにも影響があります。
ece1a2e9-s足のアーチを3つに分類するのもよく耳にしますがこれまであまり意識していませんでした。このことも考えてそれぞれのアーチに対応する筋肉について確認します。ここでは下腿部の筋肉に注目します。

【内アーチ】84208585
後脛骨筋
前脛骨筋
長母趾屈筋
長趾屈筋


【外アーチ】
長腓骨筋短腓骨筋(つま先を下と外へ曲げる)
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【横アーチ】
長腓骨筋

別ブログにもっと詳しく図解しました)

TANINO CRISCIの靴の中底は外側に傾いていますが足の外側で接地するわけではありません。傾いていても感覚的には足の裏全体で平らに接しているように感じます。足のアーチのバランスを整えるために下腿部の筋肉のバランスが取れた状態に合わせてあるということですね。


2011年07月29日

TANINO CRISCIとかかとの傾き

この記事は疑問が残りますのでTANINO CRISCIの靴の形について別ブログの「TANINO CRISCI実験記録」で研究を続行中です。



昨日の記事『TANINO CRISCI化計画失敗』でタニノクリスチーの中底のセッティングの理由について考えましたがその続きです。

参考文献として足の運動機能について検索してこちらのサイトを見つけました。
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足のこのような動きの特性に合わせてあるようです。

歩く動作の中でこういった状態になる場面として後ろ足のつま先で蹴る時のことを考えましたがちょっと違うカンジです。




後脛骨筋の働きということなので調べてみると

【後頚骨筋の主な働き】
足関節を底屈する。足関節を内反する。

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足の動きの用語はこのような意味があります

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こういった動きですのでつま先立ちに限ったことではなかったのです。

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そういえば昨日の記事でも書きましたように別のメーカーの靴を改造した結果うまく行かず足首が不安定になり歩きにくくなってしまうという失敗をしています。中心線の設定や中底の傾きの機能として横方向の運動を考えがちでしたが内反と底屈がセットで発生することに着目すると別の観点が必要になりそうです。

先ほどのサイトを改めてよく読むとこんな解説もあります。足首の捻挫についてです。”足を底屈すると不安定になり内側にひねってしまう”
p-1
p-2
























説明がヘタなのでどうしたらいいかわかりません。とりあえず気付いた点から書いて行きます

底屈ということは歩く時に前に出した足の裏全体が接地した状態です。一般的にはかかとから着地がよいとされているのですがその方が足首が安定するからでしょう。その点を無視すればかかとだけでなく足の裏全体で着地する方が膝や腰への衝撃が少なくて負担が少ないはずです。そこで足の裏全体で着地してみるとそのままの状態で脚が突っ張ってしまい前に進めません。やはり足首が不安定になるので体が危険を察知してブレーキをかけるみたいです。

受け身の状態で足首がのびると不安定なのでしょうが意識して積極的に行えば安定するのでは?ということで先ほどの後脛骨筋の機能を発揮して底屈と内反を起こした動きで歩いてみました。そうしますと足の外側のアーチから着地してから速やかに足裏全体に荷重が移りながら太腿が旋回して上体が自然に前に出るといったスムーズな動きができました。

歩き方については別ブログで研究続行中です

79303c27タニノクリスチーの靴は後脛骨筋の作用による足の底屈に伴って起こる内反の動きに対応した中底の形に作られているようです。このことによって歩く時に前の足が足の裏全体で着地する動きができるようになります。後脛骨筋は足のアーチを支える働きもしているのでこの筋肉の機能を充分に発揮できる靴には履きやすさを感じるのだと思います。

この筋肉は足の骨の舟状骨、全楔状骨、立方骨、第二~第四中足骨に付着となっています。







Item02以前歩き方を調べたときに足の裏全体を着地して歩く方がよいという趣旨の記事を見つけこんな商品の宣伝が出ていました。

足裏のバランスを整える三本指ソックスということですが後脛骨筋がつながっている指を意識することによって機能を引き出すことができるのかもしれません。


taninocrisci-2413タニノクリスチーのハイヒールはとてもきれいでどのようなセッティングなのか気になるのですが現物を見たことがないのでよくわかりません。足の動きや状態は違っても同じような原理で作ってあるように感じられるライン取りに見えますが…

性別だけでなくいろいろな形の靴がありますし具体的な歩きはどうなのかとか不明瞭な問題もありますがこのような基本理念に基づいてタニノクリスチーの靴は設計されていると考えると納得できることも多いです。

後脛骨筋は土踏まずのアーチを引っ張り上げるという大切な役目を持っています。筋力が衰えると足のトラブルの原因になりますのでちゃんと鍛えておきましょう。
参考サイトへ

ふと思ったのですが同じようにアーチを支えるための重要な筋肉として長腓骨筋があり短腓骨筋も補助的に働いています。これらは足を外反させる働きがありますので後脛骨筋の内反運動と競合してしまいます。タニノクリスチーの中底の微妙な傾きや中心線の設定法はこのバランスをとるためかもしれません。

2011年07月29日

TANINO CRISCI化計画失敗

タニノクリスチーの靴を買うだけの経済的余裕がなくなってしまったのですが他の靴は変な感じがして耐えられません。そこで改造して似たような感じにしてみようと考えました

以前靴を作ってみたときには中心線の設定の仕方の意味が解りませんでした。よく観察した結果気付いたのは
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このように中底が外側に傾いていることと関係がありそうだということです。




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こんなカンジのポーズに合わせて作られているのかもしれないと考えました。靴底を削ったり貼ったりして角度を調節してみました。しかし何かカンジが違います。このセッティングですと右足と左足とで角度を変えなくてはならないでしょうがタニノクリスチーはだいたい同じ角度です。

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そういう細かい点よりもまず根本的問題としては靴底を削って傾けようとしてもそうはいかず底面の外側が上がっただけでした。足くじきそうで疲れます。



そこで中敷き調整パッチを入れて傾斜を付けようと試みたのですが土踏まずのアーチの起伏が変わってしまいバランス取りが難しいです。やっとうまく行ったのですが非常に履きにくくて腰が痛くなります

タニノクリスチーの靴をもっとよく観察してみると
P7290001のコピー傾いていると思い込んでいたのですが足を載せる場所によって傾斜が違うことがわかりました。足の動きに応じてポジションが変化しその時に最適な角度に落ち着くような作りだと思います。そのためにかかとの幅が広くとってあるのでしょう。ですから基本設計の違う靴の傾斜だけ変えても同じような機能が出てくることはないのでした

やっぱりタニノクリスチーを買わないとだめですね。あたりまえか

ではこういったセッティングにどういった機能的な意味があるのでしょうか。
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足のこのような特性に合わせてあると考えられます。後脛骨筋の働きのために起こります。

歩く時などに体重移動のためつま先に力を入れた時この状態になります。一般的にはつま先立ちのような形になるのでかかとの角度は関係ないのでしょう。しかしTANINO CRISCIの場合は足の裏全体の接地性を高めることによって安定性を確保するためこの状態に対応できる形に作られていると考えられます。

後脛骨筋は足のアーチの形成のために重要な働きをしています。この筋肉の作用を妨げないような形が心地よく感じられるのはそういった理由もあるでしょう

つづく

2011年07月28日

アーチのラインが難しい

4年ほど前に靴の作り方を勉強した時のことです

l-tanino-insole3TANINO CRISCIの特徴として左右で靴の中底の形が違う点が気になっていました。この真似をして作ってみたのですが意外と難しくて木型全体で考えるとどこをどう変えるといいのかよくわかりませんでした

あーでもないこーでもないといろんなことをやっていて気付いたのはこのことによって右足と左足とに違った回転運動がおこることです

ほんとのことはよくわかりませんが多分人間の体の構造に即した合理的な設計がなされているのだろうなとか考えました。

ここで難しいのがアーチのラインでした。始めは上から見た底面の形を右足と左足とで対称に作っていました。ところが片方だけ底面の形を変えたところ土踏まずを支えるアーチの盛り上がり具合が合わなくなってしまうのでした。なんでだー
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よく考えてみると上から見たときの靴の形の変化はつま先だけではなくかかとの方にも影響を与えるようです。ということは靴と土踏まずの接するラインの角度が変わってしまうということになります。

靴の形というと上からの視点で横方向のカーブに目が行きがちです。ところがくびれた部分は縦方向の盛り上がりの要素も多く含んでいます。横のラインが変わると縦方向の角度も変化して土踏まずと合わなくなるのです。

このことによって上から見た靴の形と横から見た靴の起伏とが常に連動して変化することがわかりました。足に合わない靴の形をちょっと変えてもあまりうまく行かないのは縦方向にかかる力の影響を考えていないからだと思います。

どんな形がよいのか考えてもわからないので自分の足の形に合わせて木型のアーチの起伏を調整することにしました。ところが足のアーチのバランスがよくなかったので足に合わせることで履きにくい形の靴になってしまいました

その時は自分の足に問題があるとは考えていませんでした。技術的な問題であろうと思って初心者には処理できないこととしてあきらめてしまいました。このブログを始めてから木型の調整がうまくできなかったことを反省して改めて観察してみました。そして自分の足の問題点を発見するきっかけとなりました。

足の調整については別ブログで研究中です。
こちらへどうぞ

2011年07月27日

中心線がわからない

55205e0b-sタニノ・クリスチーをお手本に形を真似して靴を作ってみようとした時の話です。初心者ですので既成の木型を利用して修正を加える方法です。しかし形が全然違いますので修正の範囲を超えています。木型の設計法を知らずに大きな修正を加えるのはかなり無理があります。

1c7453c6-s足と木型と靴の形の関係がわからないのでどこをどうすればよいのか見当が付きません。タニノ・クリスチーの特徴として中心線がつま先の外側にのびているように見えました。靴の様子を見て木型に反映させていったのですが不自然にひねくれた形になってしまったような…



木型はまあなんとかでき上がったので次は甲革の型紙作りです。中心線を基準にデザイン用のテープを貼って半分の型を取ります。それを写してから左右をひっくり返してまた写すと片足分の型紙になります。ところが私の木型は左右のラインが違い過ぎて基準になる中心線を引くことができません。

いろいろ工夫してようやく型紙を取ることができました。それで一応仮靴もできたのですがすごく履きにくいです。履いた時に形が変わってしまうのです。足型に合わせてデザインしたはずなのに不思議です

P9120023-2履きにくい部分に修正を加えて行くと中心線が見えてきました。靴の製造上の都合ではなく足にとっての必要性で設定されるみたいです。靴の形は起伏に富んで複雑な曲面を描いていますのでそれぞれの部分にかかる力がまちまちです。足が入ると靴に力が加わりますがその力がうまく釣り合うようにしないと履きにくいです。その辺の事と関係あるようです。

TANINO CRISCIの靴をよく観察すると底面の中心線と甲革の中心線が違っていてしかも右足と左足とで全体の形が違います。どうすればいいのか見当もつきません。考えてもわからないので仮靴を作っては木型修正を繰り返しました。

今では知識が増えたので改めて見ると変なところがたくさん目につきますがこの時はもう限界でした。材料の加工だけでも大変ですけど形がどうなのか判断するのがすごく疲れるのです。めまいがして頭が痛くなって来ます

普段から物をしっかりよく見る習慣をつけるように心がけることにしました。それで気付いたのですが水平な線が傾いて見えるのです。しかし急には改善せず能力の限界を感じました。最終的に靴の形にはなりましたがまともに履けたもんじゃありません

このことは姿勢と関係があるようです。参考記事はこちらです

タニノ・クリスチーの靴はいろいろとすごいですがまず木型の設計がものすごいのだろうなあと思います。そしてその形に仕上げるための型紙の作り方もすごいと思います。イギリスの会社のように同じような靴ばっかり作っていれば楽でしょう。ところがタニノ・クリスチーは靴ごとにきれいに見える木型を作るので大変でしょうね。

完成度が高いと思われるモデルもあっさりとやめてしまって常に新しいものを作り続けています。履き心地を追求するためにはそういう作業が必要なのでしょうか?それともイタリアの本店に行くと古いのもあるのかなあ?

2011年07月27日

TANINO CRISCIと全然違う

今から4年ほど前に靴作りを勉強した時のことです。

タニノクリスチーの履き方が難しいので何とかならないか?靴を作ってみると何かわかるかもしれないと考えました。
P7280003のコピー-3
たまたまこういうカンジの中心線の靴を履いていました。これがタニノクリスチーの特徴だと思い込んでいたのでこの真似をして作ることにしました。

sole2



教材として与えられたのがこのような底面の木型でした。


底面ゲージ1
そこでこのように修正することになりました。いざ作業を始めると考えていたよりも大がかりな変更で非常に手間がかかりました。




P1210003木型の修正が一応出来上がって仮靴を作りました。履いてみるとひもを通す羽の部分が左右で段違いになってしまいます。型紙を修正して合わせたけれどねじれる感覚はよくなりません。

残念ながら木型の写真は撮っていませんでした。ちょっとわかりにくいですが別のものの画像で説明します。
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指の部分を中心にラインを修正したのですがかかとから甲の部分の向きと合わなくなってしまったのでした。




そこでタニノクリスチーの靴をよく観察してみるとつま先が内側に向いているというよりはかかとが内側にずれているみたいです比較-2

この部分を付け足して形を変えるのは難しかったです。

いろいろと試行錯誤しながら調整していくうちにこのラインがうまくできると腰の骨がいいカンジにのびて気持ちいいことがわかりました。

それまでは靴が曲がっているのは履きにくいのにどういうわけだろうと疑問に感じていました。しかし何らかの機能的な意味を持つのだろうなということがわかってきました。

ベースとなる木型が違い過ぎてタニノクリスチーのような履き心地にはなりませんでしたが靴の観察力は高まったと思います。

2011年07月19日

強制的履き慣らし法?

現在研究しているように靴の形について考えるという発想がなかった頃のことです。TANINO CRISCI購入にあたって試着の時には問題ないのに履いているうちに合わなくなってくる現象に苦しみ結局はあきらめることにしました

とりあえず壊れるまで履いちゃえということで完全な普段使いとして作業靴のような使い方もしました。ウイングチップなのでカジュアルな服装にも合いますし使いやすかったです。

家の修理が好きなので大工仕事をするときも履きましたが意外と実用的でした。特に脚立に乗った時の安定感が抜群で作業がはかどりました。壊れるまでと思っていましたがその前に足になじんできました

すり減った底の修理もしなかったのですがそのために足の裏の起伏に合ってきたみたいです。そこで別の靴には靴底を削って足に合わせて加工するという処置を施してみました。割とうまく行ったと思ったのですが靴の構造がよくわからなかったため甲革の縫い代も削り取ってしまい口が開いてしまいました。

この方法でけっこう履きやすくなりました。そこでTANINO CRISCIを新たにもう1足購入して壊れないように加工する方法を考えて実行してみたのですが全然ダメでした。いろいろと工夫して調整しているうちに結局壊れてしまいました。でもそれほどひどくないので貼り付けて使うことはできましたが…

他のメーカーのものにも同様の加工を施してみました。しかし形の変化に対する対応能力が低いのでうまく行きませんでした。TANINO CRISCIの優れた特性を知った出来事でした。

そんな時知り合いの人からオーダーシューズの店を紹介され相談に行ってみました。するとその会社では靴作り教室を開催していて受講することをすすめられました。私の場合は自分で靴を加工して調整したり修理したりしていたのでその方がよさそうだと思われたみたいです。

時間の余裕がなくて見合わせていましたが経営していた店を廃業したので通うことにしました。結局はうまくできませんでしたが得るものも大きかったです。TANINO CRISCIの機能を解明する流れに乗るきっかけにもなりました

また靴の悩みの最大の原因がサイズが合っていないという非常に単純なことだとわかりました。単純ではありますが意外と難しいです。この点については研究続行中です

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